つつじの育て方

つつじは久留米つつじ、平戸つつじ、サツキツツジ、アザレアなどいくつかのグループがあり、それぞれ多数の品種が存在します。
花の形や大きさ、咲き方、咲く時期など実に多様で、江戸時代以来、私たちの生活になじみ深い花木です。
なかでも久留米つつじは、花は小形で鮮明に発色し、花付きがよく、変化に富んだ多くの品種があり、鉢植えや庭植え、盆栽にしても楽しめます。

久留米市 生け垣設置奨励金制度

久留米市ではみどり豊かで快適な街づくりの一環として生け垣の活用を奨励するために、一定の条件を満たした生け垣を設置された方に奨励金を交付しています。 「久留米市の花」である久留米つつじも対象です。
詳しくは久留米市のホームページや、市民センターに設置されている申請書をご確認ください。

久留米市:生け垣設置奨励金制度(city.kurume.fukuoka.jp)

問合せ:久留米市都市建設部公園緑化推進課
TEL 0942-30-9087

つつじのお手入れ方法や育て方をわかり易くまとめました。

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ツツジ・サツキの育て方ガイド

つつじ・サツキの育て方ガイド

ひと月ごとに、灌水・施肥・防除のポイントをまとめました。

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つつじのお手入れカレンダー

つつじのお手入れカレンダー

お手入れのタイミングがわかる、1年分のカレンダーです。

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盆栽の作り方

盆栽の作り方

盆栽の植え方や管理方法を紹介しています。

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(1)苗の選び方

実際に花を見て、お好みの花色、花型などで購入するのが一番ですが、必ず木の状態を観察して選びましょう。
寒さに弱い品種もありますので、購入前の確認をお勧めします。

苗選びのポイント
  • 病気や害虫の兆候がない。
  • よく枝分かれして小枝が多い。
  • 幹肌、枝、葉に光沢があって元気がある。
多種多様なつつじの花
若楓

若楓

二重常夏

二重常夏

花火

花火

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(2)植えつけ、植え替え

庭植え

つつじが好む環境
  • 日当たりがよいところ
  • 排水がよいところ
  • pH4.5~5.5の酸性の土
植えつけの手順
  1. 植えつけ場所の土づくり
  2. 苗木の根鉢の土落とし
  3. 苗木の剪定
  4. 植え付け
  5. 灌水
植えつけのポイント
  • 高植えにする:つつじは浅く横に細根を張りますが、排水が悪いところでは根腐れを起こしてしまいます。
  • 排水をよくする:ピートモス、パーライト、バーク堆肥、バーミキュライトなどを混ぜこむと土の排水性や通気性を改良できます。
  • 根を張りやすくする:苗の土を落とし、根の間に植え付けるところの土を入れ込んで植えつけます。
  • 時季をえらぶ:植えつけの適期は10月下旬~3月下旬です。
灌水
  • 植えつけ後はたっぷり水をやります。
  • 植えつけ後、2週間程度は特に水切れに注意し、根元の土が乾いたらたっぷり水をやりましょう。
庭植えの挿絵

鉢植え

吸水性・通気性のよい、弱酸性の用土の準備
  1. 硬質の鹿沼土のみ
  2. 鹿沼土8にボラ土2の混合用土
  3. 鹿沼土8に山砂2の混合用土
苗の準備
  1. 鉢から鉢へ植え替える場合、元の鉢形に添って硬く絡んだ根は切り落としておきます
  2. 枝葉を軽く剪定しておくと、発根までに苗木にかかる負担を軽減できます
置き場と灌水
  • 植えつけ直後に、鉢底から水が流れ出るまでしっかり水をやります。
  • 植えつけ後1週間程度は、直射日光や風の当たらない日陰で、乾燥させないように注意しましょう。
  • 苗木がなじんだら日当たりのよい場所で管理し、土が乾いたらたっぷり水をやります。
鉢植え
鹿沼土
鹿沼土
  • 酸性pH4.0~5.0の土で、酸性土を好むツツジの栽培には欠かせない用土です。
  • 粒状の土の表面は無数の細かい穴で覆われており、排水性、保水性、通気性に優れます。
  • 一般に販売されている園芸用土と違い、栄養分はほとんどありませんので、適宜、肥料を与える必要があります。

盆栽の植えつけ方

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(3)施肥

  1. 花肥
    • 2月~3月頃
    • 油粕または油粕と骨粉を半々に混ぜたもの
    • 開花までに吸収されてしまう程度の量
  2. 芽肥
    • 5月~6月頃
    • 油粕または油粕と骨粉を半々に混ぜたもの
    • 開花で弱った樹勢を回復し、新芽の生長を促す
  3. 追肥
    • 9~10月頃、肥料分が切れた様子の時
    • 化成肥料か油粕を少量
    • 葉が元気な深緑色をしていれば必要ない
肥料のやりすぎに注意を!
早く大きくしようとたくさん施肥すると、根を傷めるなどして枯死の原因となることもあります。

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(4)灌水

水のやりすぎで過湿となり、根腐れを起こすことも珍しくありません。水切れに注意しつつ、乾かし気味に管理することがポイントです。

灌水の注意点
  • たっぷり灌水して、間隔をあけます。 (少しずつ頻繁にやらないようにしましょう)
  • 水はけよくします。
  • 開花期は花に水がかからないよう根元に灌水します。(病気を予防するため)
  • 開花期以外は葉水を兼ねて、木全体に水をかけます。
  • 鉢植えは乾燥しやすいので特に水切れに注意し、乾燥したらたっぷり灌水します。

(5)剪定・花がら摘み

花がら摘み

終わった花はなるべく早く花がらを摘み取りましょう。
花が終わると、種をつけるために養分が優先的に使われてしまいます。
花がらを摘むことでこれから咲くつぼみに養分がいきますし、樹勢が弱るのを防ぐことができます。
花がらから病気が発生するのも予防できます。

剪定

刈り込み剪定は、花が終わり次第なるべく早く行いましょう。
種類によっては7月ごろに来年の花芽ができるので、それ以降に剪定すると花芽も切り落とすことになり、来春に花が咲かなくなります。

花後の刈り込み(令和元年6月)

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(6)主な病害虫と防除

春~秋にかけて様々な病害虫が発生しますが、育てる環境や管理方法に気を付けて丈夫な木に育てることが最も効果的な防除と言えます。

病害虫が発生しやすい木
  • 水のかけすぎにより過湿になっている木
  • 枝葉が茂りすぎた木
  • 窒素分(N)が多すぎて徒長した木
  • 風害等で弱った木
  • 日当たり、風通しの悪い場所に植えられた木
病害虫が発生しやすい時期や気候
  • 長雨などにより日照が不足するとき
  • 近年の夏のように、連日の高温が続くとき
  • 台風が通過した後

予防や対処として薬剤を使用する場合は必ず農薬ラベルを読み、ご自身や周囲の安全に十分配慮してご使用ください。

主な殺菌剤
  • ベンレート水和剤
  • トップジンM水和剤
  • Zボルドー水和剤
  • ダコニール水和剤
主な殺虫剤
  • オルトラン水和剤/粒剤
  • カルホス乳剤
  • スプラサイド乳剤
  • スミチオン乳剤
  • アファーム乳剤
主な殺ダニ剤
  • ダニトロンフロアブル
  • バロックフロアブル
つつじ・サツキの育て方ガイド【PDF】ひと月毎に灌水・施肥・防除のポイントをまとめています。
つつじのお手入れカレンダー【PDF】お手入れのタイミングがわかる、1年分のカレンダーです。

(1)ハナグサレキンカク病(花腐菌核病)

時期つぼみから開花期に発生。
様態花に小さな淡褐色の斑点ができ、次第に全体に広がり花が枯れる。
花に付いた水滴で発病、悪化する。
予防つぼみが色づき始めたら、灌水時に花に水をかけないように注意。
特にアザレア類は夜露や雨に当てないように。

害を受けた花びら、花がらは早めに取り除き、焼却するなどして廃棄

開花前に殺菌剤を散布

(2)カッパン病(褐斑病)

時期10月ごろから、特に12月~3月の寒い時期に多く発生。
様態はじめ葉に小さな褐色の斑点があらわれ、急に広がる。
健全な部分と病斑部の境目がはっきりとしており、葉脈によって区切られる。
予防ヤゴや余分な枝を整理し、風通しよく管理する。

発生前~初期に殺菌剤を散布

(3)タンソ病(炭疽病)

時期5~6月、9~10月の低温で雨の多いときに発生。
様態葉に黄色の斑点ができ、楕円形に広がって暗褐色の円形となる。
のちに輪紋状の病斑となって黒点が現れる。 病状が進むと落葉する。
予防ヤゴや余分な枝を整理し、風通しよく管理する。

落葉はこまめに清掃し、焼却するなどして廃棄

(4)ツツジグンバイムシ

時期4月~10月の間に4~5回、発生を繰り返す。
様態成虫は3~4mmの軍配型の透き通ったハネを持つ虫で、葉のウラに寄生。
葉の表面には白い斑点が生じ、葉のウラには黒い虫フンがたくさん見える。
予防ヤゴや余分な枝を整理し、風通しよく管理する。

殺虫粒剤を定期散布

発生初期に殺虫剤を散布

※ツツジグンバイムシやスリップスのように飛ぶことができる害虫に対しては、接触性の薬剤を散布しても効果が限られる。
そこで、粒剤タイプの殺虫剤を発生前から散布して木に吸収させておき、発生を未然に防ぐ方法も有効。

(5)ハダニ

時期5月~10月にかけて繰り返し発生。
様態ツツジグンバイムシの被害状態に類似するが、葉のウラには虫フンがないので容易に見分けられる。
予防ダニは高温・乾燥を好むので、灌水時、しっかり葉水をかけると予防になる。

発生初期に殺ダニ剤を散布(その後、定期散布)
※ダニは抵抗性が付きやすいため、同じ薬剤の連続使用は避ける。

(6)ベニモンアオリンガ(シンクイムシ・ツボミムシ)

時期4月~9月ごろまで繰り返し発生。
様態春先は主に新芽を食害し、秋は主に花芽に侵入する。
侵入された新芽や花芽は変色して枯れる。
予防しおれた新芽や穴の開いた花芽を見つけたら取り除き、焼却するなどして廃棄する。
これにより、中に生息している幼虫が成虫になって産卵し、再び食害するのを防ぐ。

殺虫粒剤を定期散布

発生初期に殺虫剤を散布

ベニモンアオリンガの新枝害
ベニモンアオリンガの新枝害
ベニモンアオリンガの新枝害
ベニモンアオリンガ幼虫
ベニモンアオリンガ幼虫
ベニモンアオリンガ成虫
ベニモンアオリンガ成虫

(7)ルリチュウレンジハバチ

時期特に5月~6月ごろに多発し、10月ごろまで3~4回発生。
様態葉の周囲から食害し、硬い葉脈だけを残して葉が食われる。
はじめは幼虫の集団で葉を食べ、次の葉へ移動するたびに分散していくため、
放任していると全体が丸坊主になり、木が枯死することもある。

発生初期に殺虫剤を散布

発見時に捕殺

(8)アブラムシ

時期開花期の4月~6月頃、新芽やつぼみに多く発生。
様態樹液を吸われるため、つぼみのまま開花しなかったり、開花しても花弁が委縮、変色する。
アブラムシのフンは黒っぽく葉や幹に付着し、すす病など他の病気を誘発する。

開花前に殺虫剤を散布

(9)スリップス(アザミウマ)

時期4月~10月ごろ、特に気温の高い夏場に多発。
様態新芽やつぼみに寄生して汁を吸う。開花や発芽を阻害したり変形させる。

殺虫粒剤を定期散布

発生前~初期に殺虫剤を散布

スリップスの害
スリップスの害

(10)ハマキムシ

時期4月~10月ごろまで発生。
様態柔らかい新梢をクルクルと巻き込んでその中で成長する。
予防発生がわかりやすいため、見つけ次第、捕殺するのが最も効果的。

発見時に捕殺

発生初期に殺虫剤を散布(捕殺)
※薬剤がかかりにくい場所に生息するため、食毒性薬剤か浸透性薬剤を使用するとよい。

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